理事長挨拶
筑波大学医学医療系 緩和医療学
木澤 義之
筑波大学医学医療系緩和医療学の木澤義之です。
この度、再び日本緩和医療学会理事長を拝命しました。緩和医療の研究と実践を通じて、重い病を持つ患者さんとその家族のQOLの向上をはかり、人々が、いつでも、どこでも、疾患を問わず、必要なときに緩和ケアを受けられるように、学術団体として社会に貢献していきたいと考えています。この2年間は以下の5つに力を入れて活動していきたいと思っています。
- すべての重い病に対する緩和ケアのさらなる普及とその提供体制の整備
- 次世代の緩和ケアの担い手の育成
- 緩和ケア教育の充実、特にGoals of Care Discussionの教育
- インタレストグループの設置と研究の推進
- 学会機能のさらなる強化と運営の透明化、合理化
具体的には、まず理事を中心として7月末にワークショップを開催し、学会の将来行動計画を策定した上で、課題を確実に実行し、その成果を内外に示していきたいと思っています。
特に、地域包括ケアの中で、どのように緩和ケア専門家がその役割を果たしていくかに注目し、病院だけでなく、地域の医療機関を対象とした緩和ケアのコンサルテーションの仕組みの構築とその社会への実装に力を入れていきたいと思います。がん以外の疾患に対する緩和ケアとしては、呼吸器疾患、腎臓病の緩和ケアの推進についても力を入れて行くとともに、救急集中治療領域では、日本集中治療学会、日本救急医学会、日本循環器学会と治療の中止と差し控えに関する4学会ガイドラインを共同で作成していきたいと考えています。
また、学会の運営にあたっては、この4年間、会員管理システムの一新、利用者の利便性とセキュリティに配慮したWebページの刷新、SNSを用いた情報発信、今まで委託していた事務局機能の内製化などを進めてきました。今期もさらに活動を透明化し、会員サービスを向上させることができるよう学会運営に取り組んでまいります。会員の皆様のご意見を伺いながら、アクティブに活動してまいりますので、なにかお気づきのことがあればいつでもご相談ください。皆様どうぞよろしくお願いいたします。
掲載日:2024年10月22日