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学会概要
理事長挨拶
 2012年6月に日本緩和医療学会の理事長を拝命して以来、瞬く間に二期4年が過ぎました。この間、日本緩和医療学会の運営、運用、またそれに関わる関連学会、緩和ケア研修会、協議会(現緩和ケア普及に関する関連団体支援・調整委員会)などに参加させていただき、在宅医、一般病院、訪問看護師、リハビリテーション、MSW、ケアマネージャー、そしてがん患者さんやそのご家族などの視点から見た緩和ケアの現状や問題点をいろいろ知ることができました。
 また厚生労働省委託事業、厚生労働省健康局がん対策課(現がん・疾病対策課)主催の「がん対策推進協議会」と「緩和ケア推進検討会:現がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」を通じて、医療政策としての緩和ケアの位置づけもかなり理解できるようになりました。また本年2016年6月には、第21回日本緩和医療学会学術大会を私の地元である京都で主催させていただきました。
 さて、直近の2年間で大きく動いたのは、厚生労働省の緩和ケア担当課や検討会の名称変更に反映されているように、ほぼ“がん”のみであった本邦の緩和ケア対策が“がん”以外の疾患にも拡げる行政の方向性がはっきり出てきたことです。この6月の学術大会のシンポジウムで、「今年は、記念すべき『非がん緩和ケア元年』です。」と発言していただいたシンポジストの先生がおられました。緩和ケアが“がん”疾患患者とその家族だけのものでなく、生命に関わる循環器、呼吸器、神経難病、AIDSなどの疾患にも適用されることは自明ではありますが、本邦でも漸くこのような行政の方向性が正式に示されたことを正直に喜んでいる次第です。
 理事長として二期目を終え、4年前の就任時の公約はある程度果たせました。さらに同職を、もう一期お引き受けするにあたり、以下のような新たな公約を掲げ、その実現に邁進してみようと思っております。
 @全国79の大学医学部に「緩和医療学講座」を開設する。
 A医師の緩和ケア研修会受講を確実にするため、研修医の2年目にPEACE研修会を受講・修了することを研修医過程終了の必須とする。
 B厚労省委託事業として「がん医療に携わる看護研修事業の看護師に対する緩和ケア研修事業」が立ち上がりましたが、委託が終了すると同時に、その継続が懸念されています。今後の緩和ケアのがん以外の疾患への拡充を考えれば、看護師の緩和ケアの基本的研修はELNEC-Jを基盤としてその運用を行う。
 C緩和ケアセンターをがん診療連携拠点病院の全てに設置し、がん患者さんと家族がいつでも相談できる体制を整備する。
 これらを、厚生労働省、文部科学省を始めとした関係各省や関連学会と連携し、組織的な緩和ケア普及をさらに押し進めて行きたいと考えています。
 この実現のため、関係各位のさらなる御支援、御協力を御願いしたいと存じます。

京都府立医科大学 疼痛・緩和医療学教室
京都府立医科大学附属病院 疼痛・緩和ケア科
細川 豊史

掲載日:平成28年11月11日