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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.93
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2021  93
巻頭言
第27回日本緩和医療学会学術大会のご案内
東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻 緩和ケア看護学分野
宮下 光令



 昨今、明るい兆しは見えてきたものの新型コロナウイルス感染症の影響はまだまだ臨床やケアに大きな影響を与えており、みなさまにおかれましては患者・家族の治療・ケアにお忙しい日々をお過ごしのことと存じます。
 この度、第27回学術大会の大会長を拝命いたしました東北大学大学院医学系研究科保健学専攻緩和ケア看護学分野の宮下光令より、年次学術大会を開催させていただくにあたり、ご挨拶を申し上げます。
 わが国の緩和ケアは2007年のがん対策基本法やがん診療拠点病院政策などにより、制度面で大きく進歩して参りました。しかし、この制度面での拡大により本当にすべての患者家族に十分な緩和ケアが提供されているかについては若干の疑問もあります。2019年に国立がん研究センターによってわが国でがん・非がん疾患で亡くなった患者の遺族5万人に対する調査が実施され、まだまだ半数以上の患者が痛みや苦痛に苦しんでいることが明らかになりました。そのほかにも、専門的緩和ケアのあり方の見直し、非がん疾患に対する緩和ケアの普及、在宅緩和ケア、質が高い研究とそのエビデンスに基づいた緩和ケアの提供など、多くの課題が残されています。前回の第26回学術大会のテーマは「初心忘るべからず」でした。このような新たな局面に入っていく状況で、もう一度足元を見なおし、将来を見据えることを目指してつけられたテーマです。
 今回の第27回学術大会のテーマは「現状を評価し、前に進む」とさせていただきました。基本的な考え方は前回の第26回学術大会のテーマを踏襲しています。今回の第27回学術大会ではそれをもう一歩発展させ、私たちがいままでに何を達成してきたのか、さらに改善が必要な点は何なのかをエビデンスの側面とアートの側面からもう一度振り返り、次のステップの目標を明確化できればと思っています。
 また、コロナ禍において学術大会のあり方自体が問われています。第27回学術大会では学術大会を通して交流することの意義や方法も考え直したいと思っています。参加者の交流・対話の機会を増やし、すべての参加者が学術大会に参加する意義をいままで以上に実感できる大会にしたいと考えております。
 現時点では第27回学術大会は3年ぶりの全面的な対面開催を予定し、大会長をはじめ本大会の関係者が総力をあげて大会を盛り上げられますよう鋭意準備中でございます。みなさまにおかれましては、多忙な日々をお過ごしのことと存じますが、ぜひ神戸でお会いできますことを楽しみにしております。

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