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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.92
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2021  92
学会印象記
第14回日本緩和医療薬学会年会に参加して
長崎大学病院 薬剤部
龍 恵美



 2021年5月13日(木)〜16日(日)に第14回日本緩和医療薬学会年会が開催された。2020年開催予定が新型コロナウイルス感染症の影響で延期となったため、2年ぶりの開催である。開催形式も現地開催は見送られ、「完全Web形式(オンデマンド配信)」となった。この年会に演題登録したときには、まだ新型コロナがここまでの影響をおよぼすとはまったく想像していなかったことを思うと隔世の感を禁じ得ない。
 年会は、「あなたらしさに向き合う、緩和医療薬学の可能性」というテーマで行われた。特別講演2演題、シンポジウム19テーマ、ワークショップ4つ、口頭発表(動画とスライド)とポスター発表を合わせて350演題に加えてスポンサードセミナーが18演題と盛沢山で、その上一部を除きオンデマンドで2週間後まで配信された。学会会場で参加者と意見を交わし、その土地の名物も楽しみつつ様々な情報が得られる機会がないのが残念だが、会場がいっぱいで目当てのシンポジウムに参加できない事態を回避できるという点は、オンデマンド型のメリットだと感じられた。
 本学会の年会の特徴として、緩和医療薬学関連の大学研究者、病院薬剤師、保険薬局薬剤師などに関わる事項が集約されているという点がある。痛みの分子病態に精通している研究者によるシンポジウム、病院と保険薬局それぞれの立場の薬剤師で検討する医療用麻薬の自己管理や地域包括ケアのシンポジウムなどは関連するが異なるフィールドの話をきくことができ大いに刺激になった。また、各種緩和医療の話題に加え体内動態、腎機能低下などをキーワードとする薬学らしいシンポジウムもあり、多くの学びを得られた。
 シンポジウム終了後に質問を入力できるフォームがあり、後日質問に対するQ&Aがすべて年会ホームページに公開されていたのはWebならではであり、状況が変わる中で2年間にわたる準備を経て開催されたことに感謝するとともに、来年の年会は開催地の熊本で多くの人々と顔を合わせて緩和医療を実感したいと願っている。

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