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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.89
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2020  89
学会印象記
コロナ渦で再確認する「つながり」
滋賀県立総合病院 緩和ケアセンター
冨永 千鶴

 第25回日本緩和医療学会は、緩和・支持・心のケア合同学術大会であり、初めての合同学会を楽しみにしていた。コロナ渦の影響で開催日が二転三転したものの、大会長内富庸介先生(国立がん研究センター)、副大会長橋孝郎先生(埼玉医科大学国際医療センター)はじめ開催にあたり準備を担当いただいた皆様のおかげで、Webという新しい学会の形を体験させていただけた。
 学会当日は、会場移動時の気分転換や合間の企業ブース見学のかわりに、ちょっとしたストレッチやおやつを用意して気分転換を行った。新しい学会様式によって、自宅にいながら多くの貴重な発表を聞くことができ、大会終了後にも視聴できるというおまけまでついていた。
 複雑な社会環境や膨大な情報量の中で様々な価値観が生まれ、その人らしさを支えることを大切にしている緩和ケアにとって、多様性をどう受け止め対応するかが課題と考える。今回のテーマ「多様性・対話そして利他」は、そういった課題を一つ一つ丁寧に考える機会となった。
 「ピアサポートの現状と実践に向けた取り組み」では、コロナ渦で現状を客観的に見つめサポート体制の構築をどう実践していくのかという報告があった。Web環境によって、「移動に伴う金銭的負担がかからない」「遠方の人とつながれる」「人と人のつながりが広がる」といったメリットがある反面、「人との関係密度は低下」「オンライン疲れ」といったデメリットについて指摘があった。そのため、「公私との境ははっきりする」「余韻に浸ることなく切れる画面にさみしさがある。終わり方の工夫が必要」とつなぐ方法を変えてもつながっていくことが支えになると実感できるお話しが伺えた。
 コロナ渦で社会活動が停止し、これからどのようにつながっていくのか模索している段階にある。「人との関係密度は低下」しても「人と人のつながりが広がる」ことができる状況は、多様性への対応を考えるチャンスと受け止め前向きに取り組めばいいと感じた。
 「つながる」方向を示していただけた学会に参加できたことに感謝いたします。

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