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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.89
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2020  89
監事就任挨拶
監事就任のご挨拶


社会医療法人博愛会相良病院
江口 恵子


 この度、監事を拝命いたしました江口恵子と申します。看護の立場からということでご推薦いただきました。私にお役に立てることがあればとの思いでお引き受けしましたが、改めて学会の歩みや幅広い活動状況の前に身が引き締まる思いでいます。
 私自身の緩和ケアとのかかわりは、核として、胃がんの診断後10カ月、50歳で逝った母の闘病生活における苦悩と学びにあります。45年も前のこと、痛み止めは3時間ごとのソセゴンのみ、訪問看護のない時代での在宅療養、2カ月にわたる県外から看病と仕事との両立、二人暮らしで農作業をしながら母の望む食材を遠くまで求めにいく父の自責感と抑圧された悲嘆等々枚挙にいとまがありません。その後、看護教員を経て病棟師長時代頭頚部のがん患者さんとの関わりを通して、仲間と共に鹿児島ターミナルケア・ネットワーク(2001年鹿児島緩和ケア・ネットワークに改名)を立ち上げたのは1998年、様々な学び合いを継続してきました。日本緩和医療学会の礎を築き、今日の発展を推進していただいた多くの先生方に鹿児島までお運びいただき、学ばせていただきました。その中にあって、患者さんと最も近くにある(はずの)看護職の緩和ケアの質を高めるためにどのような教育が必要か悩んでいるとき、ELNEC-Jとの出会いがありました。2009年に学会の事業として始まったELNEC-Jの指導者養成研修を受講し、早々に県内での普及活動に行政との協力を得て進め、現在ではがん診療連携拠点病院の活動として定着する施設が増加してきました。とても心強く思っています。学会の活動に支えられての今があることを改めて実感しております。
 母との10カ月の関わりや今も続くがん患者さんとの関わりの中で、強く心に残るのは「一人ひとりの力」です。「今、目の前に在るその人自身と向き合う」そのために、学会活動があり医療者としての自分がどのように在るのか、今回の監事という役割をいただいたことを私自身にとっても、大きな機会として微力ながらお役目を果たせるよう務めていきたいと思います。ご指導ご鞭撻のほどどうぞよろしくお願いいたします。

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