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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.89
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2020  89
理事就任挨拶
より多くのこどもたちに緩和ケアを届けるために


国立成育医療研究センター
総合診療部 緩和ケア科
余谷 暢之


 この度、初めて日本緩和医療学会の理事を拝命することになりました国立成育医療研究センター緩和ケア科医師の余谷暢之と申します。このような役割をいただき、大変ありがたい気持ちと同時に身の引き締まる思いです。
 私は大学卒業後、国立成育医療研究センターにて小児科のトレーニングを受けた後、小児総合診療の立場でNICUやPICUを卒業した医療的ケアを持つこどもたちの支援に長く取り組んで参りました。その中で、生まれてから亡くなるまで連続した支援の必要性を感じ、緩和ケアの実践を学ぶべく神戸大学で緩和ケアの診療に携わる機会をいただきました。成人領域で行われている緩和ケアの実践、意思決定支援の実際を目の当たりにし、小児領域での課題を感じ、こどもたちに緩和ケアを届けるためには、小児医療だけで考えることではなく、成人の緩和ケアに携わる方々との協働がとても重要であると考えるに至りました。現在は小児専門病院の緩和ケア専門家の立場で、がん、非がんを問わず緩和ケアの提供を行っています。近年では胎児期に重篤な疾患の診断がつくようになり、胎児期から緩和ケアの関わりを始め、連続性を持った支援ができるよう日々悩みながら進めています。
 これまで緩和医療学会では、学術集会で小児と成人の協働についてのシンポジウムの企画を行ったり、緩和ケアチームの手引き-小児患者に関わるためのハンドブック作成に関わったりしてきました。
 今回、理事としての活動と併せて、専門的・横断的緩和ケア推進委員会に設置されている小児緩和ケアWPGのWPG長を拝命することになりました。日本の小児緩和ケアの国際的な評価では、レベル3(1が最低で5が最高)と限定的で広くいきわたっていない段階とされています。今後多くのこどもたちの支援につながるべく、学会活動を通して特に成人の緩和ケアに携わる方々との協働が進むよう、実践していく所存です。是非とも皆様のお力添えをいただけましたら幸いです。

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