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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.89
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2020  89
理事就任挨拶
新理事としてのご挨拶


獨協医科大学医学部 麻酔科学講座
山口 重樹


 再び緩和医療学会の理事を拝命いたしました獨協医科大学医学部麻酔科学講座の山口重樹です。理事選挙においてご支援を賜りました多くの会員の方々に心より感謝申し上げます。
 私は1992年3月に獨協医科大学医学部を卒業し、これまで30年近く、麻酔科医として、痛みの診療、研究、教育に情熱を注いできました。それは、ある運命に導かれてのことと信じています。僕の誕生日である「10月20日」は「疼痛ゼロ」という語呂合わせの日であり、痛みの診療医となったことは僕にとっての天命であり、この日に出産してくれた母に感謝しています。
 痛みの診療については、獨協医科大学病院麻酔部(ペインクリニック)および緩和ケア部門、痛みセンターにおいて、がん、非がんを問わず、多くの患者さんから様々なことを学ばせていただきました。研究については米国のThe Johns Hopkins大学での留学を中心に臨床、基礎と幅広い分野に従事し、今尚その研究心の情熱は冷えていません。教育については獨協医科大学で幅広い学生に「望まれている医療とケアは何か?、望まれる医療人とは何か?」について緩和医療学を通して指導し、学生と共に考えてきました。また、公益社団法人日本麻酔科学会、一般社団法人日本ペインクリニック学会などの学術学会においては各種委員として活動し、一般財団法人日本いたみ財団の立ち上げにかかわるなど、痛みに関する啓発、教育活動を行っています。さらには、積極的に海外医療ボランティアに参加するなどして、異文化的交流を介して多くの経験を積んできました。
 これらの30年近い医療者としての経験を日本の緩和医療の発展に生かしたく、引き続き理事選に立候補、就任させていただきました。皆さんの期待を裏切らないよう、今後も理事として、「本邦の緩和医療の臨床の質の向上」、「世界に負けない研究活動の促進」、「国民の緩和医療に対する意識の向上のための教育活動」などを充実できるよう尽力していきたいと考えています。
 本邦における緩和医療およびケアの質を向上させるためには、熱意のある専門医と緩和ケアに携わる人材の育成であることは言うまでもありません。世界に負けない研究活動の促進については、日本の歴史、文化によって生み出される緩和医療の素晴らしさを全世界にアピールできるような研究ができるような環境の構築、支援ができればと考えています。国民の緩和医療および緩和ケアに対する意識の向上のための教育活動では、特に幼少期からの教育を通じて、緩和医療のみならず全ての医療を身近に感じることのできるような活動をしていくことが重要です。そして、私が最も大切にしていることは、長期がんサバイバーが増加の一途である現代社会において、「早期からの緩和ケア」にとどまらず「生涯にわたっての緩和ケア」と言う視点を会員の皆さんと共有していくことです。
 幸いにも、前回に引き続きニューズレター編集委員会委員長を拝命しましたので、会員および緩和医療に携わる多くの方々の幅広い意見を発信していければと考えています。前回のニューズレター編集委員会委員長就任期間中は、ニューズレターのオンライン化を実施し、会員が気軽にアクセスすることを実現させることができました。今後の2年間では、委員会のメンバーと共に会員からの意見をできるだけ多く聴取して、さらなる充実したものにしていきたいと考えています。
 今後とも日本緩和医療学会の発展はもとより、学会の代表の一人として日本の医療の発展に貢献できるように精進していく所存です。何卒、ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

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