line
Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.89
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2020  89
理事就任挨拶
理事就任のごあいさつ


慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
慶應義塾大学病院 緩和ケアセンター
橋口 さおり


 このたび理事に就任いたしました橋口と申します。前期に引き続き、倫理・利益相反委員会の委員長を務めさせていただくことになりました。さて、倫理や利益相反というと、とても難解なものというイメージがあるかと思います。倫理的配慮については厚生労働省などが出している指針についてよく知る必要がありますが、お世辞にもわかりやすいものとは言えず、部分的に読むくらいでは到底理解できないくらい難解なものです。所属する医療機関によっては、1年に何回も研修を受ける必要があるところもありますが、一方で当会にはそのような機会が少ない医療機関に勤務されている方や職種の方もいらっしゃいます。医療としての緩和ケアや、学術としての緩和医療学が発展するためには研究の推進が欠かせません。そして研究の遂行や、学術大会や論文としての成果の発表にあたっては、基礎研究や臨床研究も含め、被験者としての患者への倫理的配慮が十分行われるものでなければなりません。これは症例検討における個人情報や対象者が受ける可能性がある負担への配慮も含まれます。また昨今は研究だけではなくSNSでの患者情報の漏洩などにも充分気を付けなければなりません。医療の発展の中では患者の権利が十分に保障されず、研究という名のもとに被験者が理不尽な扱いを強いられた時代がありました。研究での倫理的配慮は患者の権利を保障するために最低限必要なものであり、臨床で患者のQOLや心に配慮する医療を行う者として、当然行うべきものです。今期は倫理的配慮についての啓発にも力を入れていきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。

Close