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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.86
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2020  86
学会印象記
第57回日本癌治療学会学術集会
琉球大学医学部附属病院 地域医療部 緩和ケアセンター
中島 信久

 第57回日本癌治療学会学術集会(10月24日−26日、京都)に参加しましたので報告します。近年、ゲノム医療、多種多様な分子標的薬などによるPrecision Medicineの推進、さらには人工知能(AI)を始めとするテクノロジーの進歩には目を見張るものがあります。一方、免疫関連副作用(irAE)、化学療法や分子標的薬による多彩な有害事象を経験するようになり、多くの診療科・職種による横断的なチーム医療の重要性は増しています。緩和ケアを生業とする者にとっても“must”なこと(or“避けては通れない”こと?)ばかりです。それゆえにこのたびの学術集会への参加はこれまでの知識の整理ならびに最新情報の収集のための絶好の機会となりました。また、国際化の波が押し寄せるグローバルなこの時代のがん治療を考える上で、がん関連のメジャー学会・団体(ASCO・ESMO・ECCO・UICC)とのジョイントシンポジウムなどに参加することで、日本に居ながらにして世界の「いま」を知ることができました。
 緩和ケアに関連する企画セッションとしては、内富庸介先生(国立がん研究センター)、西村恭昌先生(近畿大学)の司会のもと、「緩和医療のこれから」というタイトルのワークショップがあり、ここで発表する機会をいただきました。昨今注目されているIntegration of oncology and palliative care(がん治療と緩和ケアの統合)に関連して、「緩和ケアを『広める』『高める』『深める』ための包括的緩和ケア教育プログラム」というタイトルで、“ALL OKINAWA”の取り組みを紹介しました。このセッションでは、わが国のペインクリニック界のトップリーダーであり、昨年沖縄に移られた服部政治先生(中部徳洲会病院)が「がん疼痛の専門治療」について発表されました。こうした専門家の参画も含めた多職種連携を基盤にした包括的ながん緩和ケア提供体制をこの地で成熟させ、「沖縄発」として全国に発信できる日がくることを夢見ています(^O^)
 緩和ケアに関わり始めた頃はまだ若かったはずだったのに、時は流れ“アラカン”目前となってしまいましたが、これからもこうした学会への参加を通して「学び」を続けていきたいと思っております。

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