line
Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.86
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2020  86
学会印象記
第26回日本ホスピス・在宅ケア研究会 全国大会in山梨
第9回山梨県介護支援専門員協会 地域支部連携研究大会
日本介護支援専門員協会 甲信越ブロック研修会  合同大会
千葉県立保健医療大学
安部 能成

 年も押し詰まった2019年12月14〜15日にかけて、富士山麓の山梨県の富士吉田市で行われた在宅系の研究会に参加してきた。第26回日本ホスピス・在宅ケア研究会全国大会in山梨、および、第9回山梨県介護支援専門員協会地域支部連携研究大会、並びに、日本介護支援専門員協会甲信越ブロック研修会の合同大会であり、「ねがい」〜富士の麓で我が道をデザインする〜をテーマとして、鷲見よしみ大会長のもとで開催された。
 大会テーマにもある通り、富士吉田のシンボルは富士山であり、大会初日の朝は、好天気にも恵まれ、富士山の懐に抱かれて開催される研究会となった。主会場のメインホールからは、巨大なガラス越しに見える富士山がまことに美しく、しばしの間参加者のカメラのシャッター音が鳴り続けたほどであり、麓から見る雄姿を再認識した。
 合同大会の会場は、富士急ハイランドホテルと富士吉田市民会館の2つに分かれ、シャトルバスが往復するという形式であった。単独学会なら1会場でもよかっただろうが、3団体の合同大会となり、2会場が必要になったものと思われる。会場間の移動には若干の時間を要したが、合同大会としての開催は、人集めの観点からは良いことであったと感じた。山梨県は81万人余り(2019年12月1日現在:山梨県調査)という人口規模の小さな地域で、政令指定都市である千葉市の人口98万人(2019年12月1日現在:千葉市調査)よりも少ない。
 研究会の発表内容はバラエティーに富んでおり、基調講演の「生きる」に始まり、在宅医療の歴史、「自分らしくあるために」という鼎談、ACPについてはシンポジウム@ABCDEのほか口述発表やポスターも見られて、さながらACPばやり、といった様相を呈していた。これに対して参加者の多くから聞かれた声は「在宅では毎日がACPのようなものなので、取り立てて言うほどのこともなかった」というものであった。大学附属病院などから「これから取り組むべき検討課題」という学術的研究発表とは裏腹な関係にあるように感じられた。今大会では、医療を支える看護、介護からの発言も少なからず聞こえてきた。
 市民目線による発表の多いことも本研究会の特色の一つであるが、特に「ボランティア」についてのセッションが発足した。これは大会直前に逝去された谷田憲俊先生の御遺志を継いだものでもあり、熱い語り合いがあった。
 2日間にわたる学会は、閉会式における大会長の挨拶で700名の参加があったことが告げられた。会場を埋め尽くした盛会ぶりを拝見し、数千人が犇めき合う学会とはまた異なった趣向を感じられたし、発表者と参加者のコミュニケーションも取りやすいようだった。しかしながら、狭い会場でもすべてのセッションに参加することはできないので、事前のプランニングが大切なようだ。
 次回の第27回日本ホスピス・在宅ケア研究会は2020年9月20〜21日に福井で開催されることがアナウンスされて、閉会となった。

Close