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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.85
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2019  85
よもやま話
久留米大学と久留米大学病院で行ってきたSHARE-CSTを介した仲間づくり
〜第10回久留米CST、第7回久留米CSTブラッシュアップセミナーを通して〜
久留米大学医学部麻酔学講座
(現、社会保険田川病院 緩和ケア内科)
佐野 智美

 CSTってご存知ですか?
 Communication Skill TrainingをCSTと略して使うことが、私にとって当たり前。
 ところが、今日(2019年10月8日)、Google検索してみると10番目、Yahoo!検索では22番目にしか、SHARE-CSTに関連したCST項目が出てこない!………驚きでした。
 世の中にはまだまだ十分に認知されていないことを肝に銘じながら、久留米で行ってきた「SHARE-CSTを介した仲間づくり」についてご紹介したいと思います。
【SHAREについて】
 がん患者のQOL向上をめざした医師−患者間における「人生にとって重要な話:Bad News」を伝える際のコミュニケーションについて、日本の患者さんの意向から抽出された4つの因子「サポーティブな環境設定:Supportive environment」「悪い知らせの伝え方:How to deliver the bad news」「付加的情報の提供:Additional information」「安心感と情緒的サポートの提供:Reassurance and Emotional Support」の頭文字をとってSHAREと呼んでいます。

 Fujimori et al.(2005) Psychooncology 14: 1043-1051.
  Fujimori et al.(2007) Psychooncology 16: 573-581.

 2009年久留米大学病院内に3人のファシリテーター誕生! これを契機にSHARE-CSTの活動が始まります。

1. 第10回久留米CST:がん患者のQOL向上を目指したコミュニケーション技術研修会(SHARE-CST)の開催
 PEACEプロジェクトのe-learningや集合研修でも「がん等の緩和ケアにおけるコミュニケーション」について学ぶ機会があります。集合研修でのロールプレイは、受講者1人あたり20分、3人1グループで60分が標準設定です。一方、SHARE-CSTは受講者1人あたり120分、4人1グループで480分間グループワークが行われます(表1、図1)。

 
図1:SHARE-CSTのロールプレイ場面
 SHARE-CSTテキスト(http://www.share-cst.jp/02.html PartV60ページ)より転載

 このSHARE-CSTを地元で気軽に受講していただくことを目標に、久留米大学関連の認定ファシリテーターが中心になって「久留米CST」を開催しています。2018年度に第10回を迎え、修了した仲間は57名に増えました(表2)。

 久留米CSTの特徴は、@久留米大学関連以外の施設から受講者受け入れ(オンコロジスト12名(24.5%)、サイコオンコロジスト1名(14.2%))、ACST受講者から認定ファシリテーターを5名輩出(2019年4月時点)、B新規認定ファシリテーターの受け入れ、C新規CST個別開催施設のサポート(資材提供)をしていることです。

2. 第7回久留米CSTブラッシュアップセミナー:メディカルスタッフへのSHARE-CSTを利用したBad Newsを伝える場の疑似体験提供
 SHARE-CST開催とともに、SHARE-CSTに参加しない・できない職種を対象として、2010年から短縮版CST(久留米CSTブラッシュアップセミナー)を行っています。7回で延べ50名が参加され、参加者背景は、医師、看護師、心理士、社会福祉士、薬剤師、理学療法士、作業療法士、介護支援専門員、秘書と多岐にわたっています。
 7回皆勤の緩和ケア認定看護師から「1年に1回、この会に参加することで自分のコミュニケーションを振り返ることができ、とても貴重な時間です」の言葉をいただきました。

 SHARE-CSTを介して、10年間で100名以上の「顔の見える」仲間と繋がることができました。AI(artificial intelligence)の医療界進出が進むなかで、これからも「ひとだからこそできる」コミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。

 まだSHARE-CSTの楽しさを体験していないあなたへメッセージです。
「是非、お近くで受講をご検討下さい」

【CST開催情報】
@http://www.share-cst.jp/03.html:一般社団法人 日本サイコオンコロジー学会主催、特定非営利活動法人 日本緩和医療学会共催
Ahttp://www.share-cst.jp/04.html:各地で個別開催

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