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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.82
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2019  82
学会印象記
第56回日本癌治療学会学術集会に参加して
帝京大学医学部緩和医療学講座
有賀 悦子

 一般社団法人日本癌治療学会(以下、JSCO)は横断的分野の会員約17,300名の学会です。第56回となる本年の学術集会は、2018年10月18日(木)から20日(土)まで、大阪大学医学院医学系研究科泌尿器科学教授野々村祝夫会長のもとパシフィコ横浜で盛大に執り行われました。
 メインテーマは、「調和と融合による次世代癌治療」、サブテーマは、(1)「Precision medicineの検証」、(2)「がん治療における異分野融合研究」、(3)「世界にはばたく日本発のがん治療」、(4)「がん患者の未来を切り拓く」の4つが掲げられました。
 ESMO、ASCO、FACOおよびJSCOの合同シンポジウムでは国際共同研究の成果や予防、免疫、集学的治療が議論され、基本的に全抄録は英語となるなど国際色豊かでした。
 シンポジウムは、ゲノム医療に関する遺伝子診断、バイオマーカーの開発や臨床応用について保険収載への足掛かりとして厚労省からの演者と共に、日本発信の治療として多光子励起イメージングの切らない組織診断やAI診断、遺伝子や免疫治療、原発不明癌の診断・治療、低侵襲外科手術支援ロボット、希少癌への戦略、IO治療(免疫療法)、臓器別トピックス、高齢者やAYA世代がん、各種ガイドラインなど枚挙にいとまがありません。緩和医療に関連する「質の高いコミュニケーションの実現に向けて」「アピアランスケア」「支持・緩和・心のケアの臨床試験体制構築」「学校がん教育」は会場に参加者で溢れたものもありました。アドバンスな教育シンポジウム「ゲノム医療」、認定医向け教育セミナー「がん診断学」、基礎的な教育セッションは各30分20本のプログラムで緩和医療も含まれていました。さらにCRC育成などのメディカルスタッフセミナー、がんナビゲーター養成セミナーも例年通り本集会の中で並行開催されました。さらに、がん患者・支援者プログラム(本学会のPALに相当)では、ポスター発表、PALセミナー、研究倫理委員会の模擬開催など、語り尽くせない大変興味深いプログラムが目白押しとなり、そこここで活発な議論が展開された3日間でした。

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