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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.82
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2019  82
学会印象記
癒し、癒された第42回日本死の臨床研究会年次大会in新潟
昭和大学医学部 医学教育学講座
宮 有介
(日本死の臨床研究会 世話人代表)

 第42回日本死の臨床研究会年次大会が、2018年12月8日、9日に新潟市の朱鷺メッセで開催されました。初雪の中の肌寒い大会でしたが、約3,000人が集い、熱い議論を繰り広げました。大会長は東京医科歯科大学の三宅智さんと昭和大学の梅田恵さんで、テーマは「ひらかれた看取りをすべての人と〜『いのち』と『死』を見つめて〜」でした。各会場で、実行委員の医師、看護師、そして学生達がボランティアとして活躍し、きめ細やかな心配りで溢れていました。
 私はシンポジウム「ケアする人自身のケア〜あなた自身のケア、していますか?」を企画・担当しました。日頃、死に逝く患者さんと向き合う中で感じる様々な葛藤や疲れを癒す場となったと自負しています。瞑想や自分自身をみつめる機会を持ち、締めは東京工業大学の中野民夫さんのリードで「生きてるうちに」を合唱しました。
 また、当研究会の目玉である1時間の事例検討は27題が開催され、どの会場も満員で立ち見が出るほどでした。私が共同演者となった「4回目の人工呼吸器はもう着けない〜終末期非がん患者の意思決定支援における医療者の葛藤」では、難しい課題ではありましたが、会場から温かい意見や励ましがあり、同じ悩みも共有されました。発表者も癒され、会場全体が癒しの空間となっていきました。
フィナーレは、キッズミュージカル。魚沼地域の子ども達を中心とした「魚沼産☆夢ひかり」の公演でした。東日本大震災の体験を盛り込んだ「心結び」を熱演し、会場は感動の涙に包まれました。「震災で亡くなった少女が、悲しむ家族や友人を見て、自分の記憶を消して欲しいと妖精に頼む。しかし、悲しみだけでなく、喜びや絆、夢を思い出していく中で少女の記憶が甦ってくる。」子供たち達は舞台を駆け回り、観客は伸びやかな歌声とメッセージに心が揺さぶられました。
 世話人代表退任記念講演で、ケアタウン小平クリニックの山崎章郎さんが「苦しみに向き合う力−支える力」をお話しされました。身体的痛みには原因があってそれに対応するように、スピリチュアルペインにもスピリチュアリティがあり、それをケアすることがスピリチュアルケア。「スピリチュアルケアのためには、真に拠り所となる他者が必要」と力強く語られました。
 私は、今回の年次大会で、山崎章郎さんから世話人代表を引き継ぐことになりました。40年以上の歴史と伝統のある研究会です。温かな目線、ボランティア精神、おもてなしの心を継承していきたいと願っています。

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