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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.77
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2017  77
委員会活動報告
緩和ケア普及に関する関連団体支援・調整委員会
緩和ケア普及に関する関連団体支援・調整委員会
委員長  大坂 巌
 本委員会は、他の学術団体との連携や相談を行っております。具体的には、他の学術団体における学術大会などで合同企画のご提案をお受けした際に、座長・演者の推薦をさせていただいております。また、各学術団体で作成されたガイドラインや手引きなどに関しまして、代議員の方々からパブリックコメントを募集し、意見集約の役割も担っております。さらに、他の学術団体から本学会に向けて発信されました情報を学会員や代議員の皆様にどのようにお伝えするかに関しましても、その都度検討しております。
 もうひとつ、本委員会の重要な役割として、緩和ケア関連団体会議の運営および開催があります。2017年6月に横浜で開催された第22回日本緩和医療学会学術大会終了後に、「第1回緩和ケア関連団体会議」を開催いたしました。会議には、一般社団法人 日本緩和医療薬学会、一般社団法人 日本がん看護学会、一般社団法人 日本癌治療学会、一般社団法人 日本サイコオンコロジー学会、日本死の臨床研究会、特定非営利活動法人 日本ホスピス緩和ケア協会、特定非営利活動法人 日本ホスピス・在宅ケア研究会、一般社団法人 日本ペインクリニック学会、特定非営利活動法人 日本放射線腫瘍学会、公益社団法人 日本麻酔科学会、特定非営利活動法人 日本臨床腫瘍学会の11団体に加えて、新たに一般社団法人 日本がんサポーティブ・ケア学会、一般社団法人 日本在宅医学会、一般社団法人 日本在宅医療学会、一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会、一般社団法人 日本臨床腫瘍薬学会、一般社団法人 日本老年医学会の6団体にご賛同いただき、本学会を含めて計18の学術団体の代表者が出席いたしました。
 この会議の中で、WHO緩和ケアの定義(2002年)の定訳がないことが議題にあがり、今後さらに緩和ケアを広く普及させるための方策の第一歩として、定訳を作成することが満場一致で採択されました。本件に関しましては、一般社団法人 日本がんサポーティブ・ケア学会、日本死の臨床研究会、特定非営利活動法人 日本ホスピス緩和ケア協会、特定非営利活動法人 日本ホスピス・在宅ケア研究会および本学会の代表者が草案を作成し、最終的には全参加団体で合意が得られるような定訳を完成させる予定です。
 さらに、緩和ケアをがんのみならず非がん疾患にも広めるためにも、緩和ケアの根幹となるような医療従事者の姿勢・態度として緩和ケア・アプローチを検討することも話し合われました。緩和ケアを基本的緩和ケアと専門的緩和ケアに分ける考えは広まりつつありますが、イギリスやオーストラリアなどでは基本的緩和ケアの礎となる緩和ケア・アプローチが提唱されています。例えば、英国のNational Council for Hospice and Specialist Palliative Care Services(全国ホスピス・専門的緩和ケアサービス協議会)においては、1)良好なクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の重視、2)全人的アプローチ、3)患者と家族(介護者)を包含するケア、4)患者の自律と選択を尊重する態度、5)率直かつ思いやりのあるコミュニケーションなどが掲げられています。まずは前述した5団体の代表者が草案を作成することとなりました。わが国の実情に即した緩和ケア・アプローチを検討する上で、学会員の皆様から多くのご意見をいただくことも考えております。
 この他、学会共同による定期的な緩和ケアに関する教育講演、がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会、医療用麻薬使用患者における自動車運転などに関しまして意見交換を行いました。緩和ケア関連団体会議は毎年6月と12月の年2回で開催し、緩和ケアの普及啓発活動を複数の学術団体が協同で行っていくための方針や具体的な方策などを話し合う場として設けられております。今後、本会議で議論されることは随時ご報告させていただきますが、学会員の皆様からも学術団体の枠を超えて話し合うことが望ましいテーマなどがございましたらお聞かせいただければ幸いです。
 本委員会は、本学会において最も若い委員会であります。複数の学術団体との連携ももちろんですが、学会内の複数の委員会との連携・協力なくしては活動が成り立ちません。緩和ケア・アプローチに則り、多くの方々とともに歩む委員会を目指しております。今後ともご協力をよろしくお願いいたします。

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