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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.77
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2017  77
Journal Club
非がんを含む進行期疾患での専門的緩和ケア介入の
QOLに対する効果のメタアナリシス
名古屋大学大学院医学系研究科
看護学専攻基礎・臨床看護学講座  佐藤 一樹

Gaertner J, Siemens W, Meerpohl JJ, Antes G, Meffert C, Xander C, Stock S, Mueller D, Schwarzer G, Becker G. Effect of specialist palliative care services on quality of life in adults with advanced incurable illness in hospital, hospice, or community settings: systematic review and meta-analysis. BMJ. 2017 Jul 4;357:j2925. doi: 10.1136/bmj.j2925. PMID:28676557

【目的】
 進行期疾患での専門的緩和ケア介入のQOLやその他のアウトカムに対する効果を評価する。
【方法】
 2016年7月までの文献をレビューし、メタアナリシスを行った。対象文献は、病院・ホスピス・地域で治療を受けた進行期疾患の成人を対象の、多職種による専門的緩和ケア介入の無作為化比較試験とした。メタアナリシスでは、統合した効果量Hedges’ gを算出した。
【結果】
 12文献が抽出された(10の無作為化比較試験、N=2454)。対象疾患は、進行期がん5試験、心不全1試験、ICU 1試験、進行期疾患3試験であり、すべて病院で行われた試験であった。対象患者をスクリーニングにより系統的に抽出した試験は0であった。
 EORTC QLQ-C30の全般的QOLスコアは小さな改善を認めた(効果量g=0.16, 95%CI 0.01 to 0.31、バイアスの少ない6試験、n=1218)。介入効果はがんでより大きく(効果量g=0.20, 95%CI 0.01 to 0.38、5試験、n=1385)、早期からの緩和ケア介入でさらに大きかった(効果量g=0.33, 95%CI 0.05 to 0.61、2試験、n=388)。非がん進行期疾患では有意差は認められなかった。また、痛みやその他のQOLのアウトカムでは結論は得られなかった。
【結論】
 専門的緩和ケア介入は進行期疾患でのQOLを小さく改善し、早期から緩和ケア介入を受けた進行期がん患者でより効果が大きかった。進行期患者のニードをスクリーニングして早期に専門的緩和ケア介入を提供できればより効果的であろう。
【コメント】
 非がん疾患を含めた進行期疾患での専門的緩和ケア介入のレビューである。全般的QOLや症状など副次アウトカムについて非がん疾患では効果はみられず、専門的緩和ケア介入は進行期がんで効果的であった。進行期がんに対する早期緩和ケア介入のコクランレビューでもQOLの小さな改善が示され、一致した結果であった。
 将来的に、専門的緩和ケアの非がん疾患への拡大が想定されるが、リソースには限りがある。漫然と専門的緩和ケアを提供するのではなく、スクリーニングによりニードを有する集団を特定して効率的に提供していく必要性を示唆する論文であった。

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