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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.77
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2017  77
巻頭言
次回学術大会に向けて
神戸大学医学部附属病院 緩和支持治療科
木澤 義之
 第23回の学術大会長を拝命致しました神戸大学の木澤 義之です。第23回大会は「緩和ケアとEOLケアの質を見直す」をテーマに2018年6月15〜17日の3日間、神戸国際会議場を中心に行われる予定です。演題募集は1月4日〜31日に実施、参加登録は3月1日〜4月27日の予定です。
 大会の運営のテーマは、学術性を高める、国際性を高める、エコフレンドリーであります。従来2日間であった学会期間を3日に延長し、3日目は英語のみのセッションと致します。海外から多数の第一線の研究者を招き、アジアからの参加を促し、学術性と国際性を高めます。また、紙媒体の厚い抄録集をなくす(携帯版と電子版はもちろん用意します)決断を致しました。
 肝腎の学術企画の内容ですが、実行委員長の森田 達也先生、副委員長の上村 恵一先生をはじめ各WGにおいて活発な議論が行われ、企画内容がほぼ固まりました。詳細は各WG長から、逐次「いちおし」企画をSNSなどに投稿してもらおうと思っていますが、ここでは大会長のおすすめを披露しようと思います。
 まずは1、2日目です。WG1(痛み)腕神経叢浸潤症候群による難治性疼痛Pros&Cons(難治性の疼痛にどうアプローチするのかを、ぜひ学びたいと思います)、WG2(痛み以外の症状)"眩暈・吃逆・掻痒感−エビデンスの少ない症状のこれまでとこれから−"(臨床で、これ困りますよね。そんなときにはぜひエキスパートの臨床知を活用したいものです)、WG3(心理社会的側面)死にゆく患者を前にして〜わたしの流儀〜(あの先生はどうしているのだろう?登壇者は承諾取れてないのでまだ内緒!)、WG4(ケアデリバリー)"外来がん医療と緩和医療の統合〜ライブカンファで考える多職種連携”(インテグレーションというけれど、どのように実践していくか、是非実践者の知恵を知りたい)、WG5(非がん、小児)“心不全緩和ケアのこれから”(自分も取り組んでいますがこれからの研究と臨床の方向性を知りたい)、WG6(研究教育)わかる、できる混合研究法(さらっとできるようになりたい〜、願望)。そして2、3日目。インターナショナル:英国よりIrene Higginson先生(Kings College London、混合研究法、政策研究など世界の緩和ケアの研究をリードする第一人者)、イタリアよりSebastiano Mercadante先生(University of Parelmo、疼痛研究を中心に、広い分野の症状緩和に関する研究を実践され、彼に死角はあるのか?と思います)オランダよりJudith Rietjens、Ida Korfage先生(Erasmus University、欧州のACPに関する多国籍多施設研究をリードするお二人です)、米国よりAnthony Lee Back先生(University of Washington、腫瘍内科医、Oncotalkなどがん患者とのコミュニケーションの第一人者、Hope for the best, Prepare for the worstで知られています)、Cynda Hylton Rushton先生(Johns Hopkins University、看護倫理研究の第一人者です)、Rachelle Bernacki先生(Harvard Medical School、緩和ケア医、がん患者のACP研究をリードされています)、アジアからは韓国からSang-Yeon Suh先生(Dongguk University)、台湾からShao-Yi Cheng先生(National Taiwan University)、Ping-Jen Chen先生(Chi-Mei Medical Center)と3名の新進気鋭の若手研究者を招聘しました。緩和ケアにおける臨床研究、コミュニケーション、意思決定について深く学んでいこうと思います。特に、ACPについては各国の臨床と研究の最前線を知ることができる絶好の機会であり、またHigginson先生やMercadante先生の今までの研究生活について深く教えていただける貴重な機会になると思っています。
 2日目のセッションは、同時通訳で行います。3日目に関しては、現在検討中ですが、今のところ英語のみで実施し、たくさんの討論をしていきたいと思っています。
 私が紹介しているのはごく一部ですが、これからセッションの内容を随時SNSやHPを用いて広報してまいります。皆さん期待して、フェイスブックにアクセスして下さい。
 本大会の実施を通じて、緩和ケアが1)疾患や年齢を超えて(がんのみでなく心不全、COPD、認知症、そして小児・高齢者へ)、2)ケアの提供場所を超えて(ICUでも、救急医療においても、地域コンサルテーションなど病院以外の場所でも)幅広く提供され、研究や実践が国境を超えて(国際化、とくにアジアで)共有され、その質を高め合うことができるようになることを願っております。
 皆さんご自分の研究や活動を是非、形にして、演題を登録して下さい。大いに討論しあい、刺激し合いましょう。そして国を超えて発信しましょう。皆様を神戸でお待ちしております。

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