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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.76
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2017  76
Journal Club
がん骨転移に対するゾレドロン酸の投与間隔についてのランダム化比較試験
名古屋大学病院 薬剤部
宮崎 雅之
Himelstein AL, Foster JC, Khatcheressian JL, Roberts JD, Seisler DK, Novotny PJ, Qin R, Go RS, Grubbs SS, O'Connor T, Velasco MR Jr, Weckstein D, O'Mara A, Loprinzi CL, Shapiro CL. Effect of Longer-Interval vs Standard Dosing of Zoledronic Acid on Skeletal Events in Patients With Bone Metastases: A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2017 Jan 3;317(1):48-58.

【目的】
 ゾレドロン酸は骨転移患者での骨関連事象(skeletal- related event:SRE)を予防するが、至適な投与スケジュールは不明である。そこで本研究はゾレドロン酸の至適投与量を検討するために骨転移を有する乳がん、前立腺がんおよび多発性骨髄腫患者を対象に、4週または12週毎のゾレドロン酸の投与を行う非盲検ランダム化非劣性試験を行った。
【方法】
 米国の269施設で登録された骨転移を有する18歳以上のがん患者1,822例(乳がん855例、前立腺がん689例、多発性骨髄腫278例)を対象とした。ゾレドロン酸を12週毎(911例)または4週毎(911例)に静脈内投与する群に無作為化に割り付けられ、2年間の治療が行われた。主要評価項目は2年以内の1イベント以上のSRE発生率(臨床的骨折、脊髄圧迫、骨への放射線照射、骨関連手術)とした。また副次評価項目は癌腫間でのSREの発生率、疼痛スコア(Brief Pain Inventory)、ECOGのPerformance Status(PS)、腎機能障害と顎骨壊死の発生頻度とした。
【結果】
 795名が試験を完了した。2年間でのSREの発生率は4週毎投与群の29.5%に対し、12週毎投与群は28.6%となり、非劣性が示された(リスク差-0.3%、片側95%CI、-0.4% -∞、P<0.001)。癌腫間でのSREの発生率、疼痛スコアおよびPSは両群間に差がなかった。骨代謝回転のマーカーであるC末端テロペプチド値は12週群で高かった。顎骨壊死およびGrade3以上のクレアチニン上昇の発現頻度は、両群間に差はなかった(顎骨壊死:4週毎投与群:2.0%、12週毎投与群:1.0%、P=0.08、クレアチニン上昇:4週毎投与群:1.2%、12週毎投与群:0.5%、P=0.10)。
【結論】
 骨転移を有する乳がん、前立腺がんおよび多発性骨髄腫患者において、12週毎のゾレドロン酸投与は、通常の4週間毎の投与と比較して2年間でのSREの発生率を上昇させない。
【コメント】
 本研究はオープンラベル試験ではあるものの、ゾレドロン酸の長期間隔の投与は標準スケジュールに非劣性であることが大規模試験で確認された。デノスマブとの差別化が図れる可能性がある。また長期間隔投与は医療経済的にも有益であると考えられる。

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