line
Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.75
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2017  75
委員会活動報告
第3回緩和ケアを目指す看護職のセミナー開催報告
教育・研修委員会 看護職セミナーWPG
WPG委員長  荒尾 晴惠
WPG委員  關本 翌子、市原 香織
川村 三希子、小山 富美子
清水 佐智子、船越 政江
村木 明美
 第3回緩和ケアを目指す看護職のセミナーは、緩和ケアに興味がある看護師を対象に「これからどのようにキャリアパスを描いていけばよいのか」を考えることにより、将来、緩和ケア領域で活躍する看護師がいきいきと実践を積み重ねられるよう支援することを目的とし、2014年度から開催しています。今年度は2017年3月19日(日曜日)に大阪で開催されました。当日は、北は北海道、南は沖縄から58名が参加し、緩和ケアで大切にしていることや、悩みを分かち合い、自身のあり方を考える充実した1日を過ごしました。
 セミナーの内容は、講演と3名の「キャリアパス」の紹介、『ケア・カフェ』を取りいれたグループワーク、そして2年後の自分の姿をイメージするワークで構成されていました。講演では「緩和ケアで大切にしていること」について、医師の山本亮先生(佐久総合病院佐久医療センター)と濱口恵子先生(がん研有明病院)のお二人よりお話いただきました。看取りのなかで自分に何ができたのだろうという後悔の思いを抱えていたこと、今までの道を歩んできた過程には、道を示してくれた先輩の存在や、出会った患者さんとそのご家族の存在が支えになっていたというお話に思わず涙が出ました。基本的な痛みのケアを行うこと、生活を支えるケアを丁寧に行うこと、推測ではなく患者さんの理想ややりたいことをきちんと聞いていくこと、わかったつもりにならないことなどの言葉に熱心に頷く受講者の姿が印象的でした。すでに緩和領域で活躍している先輩からの「私のキャリアパス」のお話は、がん看護専門看護師 久山幸恵氏(静岡県立静岡がんセンター緩和ケアセンター)、訪問看護認定看護師 原田三奈子氏(訪問看護ステーションすまぁと)、緩和ケア認定看護師 藤解すみ子氏(済生会松阪総合病院)の3名から、この領域を目指した理由、緩和ケアの魅力、目標に向かって歩んできた道などをお話いただきました。それぞれの講師の語る、道のりや悩み、大事にしていること、どのように勉強してきたかなどに、頷き、時には笑い、驚き、身近な存在として先輩方を感じられたのではないでしょうか。グループワークでは、山本先生はじめ4名の講師も参加し、ワールドカフェ形式で、緩和ケアで大切にしていること、していきたいことを熱く語り合いました。医師の考え方や報告相談の方法についても山本先生にアドバイスをいただき考えが広がりました。参加者同士がお互いの意見を尊重し、共に考える姿に、緩和ケアを目指す参加者らしい頼もしさを感じた研修でした。最後に、2年後の自分を描き、明日からのケアへの気持ちを新たにし、賑やかな雰囲気で名残惜しみながら、それぞれ帰路につきました。アンケート結果ではほぼ全員が満足と答えており、〈客観的に物事を捉えたり、何気ない会話の中にも情報が得られる見方を大切にしたい〉、〈先生方もみな患者さんや素晴らしい上司との出会い、家族の協力があることが分かった。生きる事は分かち合うことというのが印象的〉、〈キャリアについて考えることのできるセミナーは初めてだったため、とても勉強になった〉などの意見から、モチベーションアップにつながったことが伺えました。さらにこの研修が緩和ケアに興味を持つ看護師にとって意味あることを改めて認識しました。本セミナーの参加経験が、2年後、5年後の自分がどうありたいかの姿に少しでも近づけること、道は自分で切り拓くこと、少しでも多くの患者さん・ご家族によりよいケアが提供できますよう、WPG関係者一同、心より願っております。

Close